かがや歯科|国分寺駅徒歩4分の歯科医院

歯周病治療

歯周病とは

Periodontal disease
歯周病は歯槽膿漏ともよばれ、プラークに含まれる歯周病菌が歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)から侵入することで歯肉に炎症を起こし、歯を支える骨を少しずつ溶かしていく病気のことです。
歯石は細菌の足場となるため、歯周病の悪化因子となります。
初期段階では歯ぐきの発赤や出血がみられますが、痛みなど自覚症状はほとんどありません。
気づいた時には既に重症化していることがよくあります。歯のぐらつき、口臭、痛み、腫れなど自覚症状が現れた頃には歯の周囲の骨が大きく吸収しており、抜歯せざるを得ないケースも出てきます。
歯周病は進行度により、以下の4つの段階に分けられます。

 1.歯肉炎 
目立った症状はないが歯を磨いた際に出血があるという場合、まず歯肉炎が疑われます。健康な歯茎は引き締まっていますが、歯肉炎の場合は歯茎が炎症を起こしており、赤みを帯びて少し腫れぼったくなっています。
歯と歯茎の境目にはもともと歯肉溝と呼ばれる隙間がありますが、歯垢を除去できない状態のままでいると、歯周病菌はこの歯肉溝からさらに奥へと潜り込み、歯周ポケットを形成します。
この段階では歯周ポケットの深さを測ると、2~3mm程度で歯の根や骨にダメージはなく、毎日の適切な歯磨きと、歯科医院でのメインテナンスを受けることで、もとの健康な歯茎の状態に戻ります。しかし、放置しておくと次のステージである軽度歯周炎に進行してしまいます。


 2.軽度歯周炎 
歯肉炎が進行した段階が軽度歯周炎です。この時点でも歯周病と気付くことは難しいのですが、この時点で既に歯茎や歯を支える骨は徐々に溶け始めており、歯周ポケットが深くなってきている状態です。
軽度歯周炎では、歯周ポケットの深さは3~4mmほどになります。軽度歯周炎では歯茎の腫れが起こり、歯磨きや食事の際の出血、冷たいものが染みるなどの症状が現れますが、この段階では異変に気づいてもあまり深刻に考えない方がほとんどです。
このまま放置していると、中度歯周炎へ移行します。


 3.中等度歯周炎 
軽度歯周炎がさらに進んで中等度歯周炎になると、歯の周辺組織の破壊がさらに進行して骨まで溶け出します。
そのため、冷たいものや熱いものがしみる場合があります。
また歯茎の出血・腫れもひどくなり、膿や口臭が気になる方が出てきます。歯を支える骨の減少により歯の動揺が起こるようになり、歯茎が痩せて歯が長く見えるなど目に見える形でも症状が現れてきます。
歯周ポケットの深さは、4~5mm、もしくはそれ以上になり、ポケット内部には歯垢やそれが固まった歯石が多く付着している状態です。


 4.重度歯周炎 
歯周病末期の状態です。
歯を支えている骨の半分は破壊されている状態となり、歯がグラグラと動いて咬みづらくなってきます。
歯茎の色は赤紫になり、ちょっと触っただけで出血が起きる状態、膿や出血・口臭も一層強くなります。
歯茎はさらに下がり、歯と歯の隙間も目立つようになります。
また、そのまま放置すると歯が抜け落ちてしまったり、食事の際に痛みを伴うなど、日常生活にも支障をきたすレベルになってしまいます。

治療方法

 ブラッシング指導(TBI) 

歯周病の進行の程度にかかわらず、治療予後の鍵を握るのがプラークコントロールです。
歯周病の原因である歯垢の除去を日常的に正しい方法で行わないと、治療後も歯周病の進行を止めることはできません。
そのため、基本となる歯ブラシや、フロス・歯間ブラシなど補助清掃器具の使い方、必要があれば洗口剤・歯磨き剤の併用など口腔衛生管理の指導について重要視しております。

 スケーリング・ルートプレーニング(SRP) 
スケーリングは歯や歯根の表面に付いた歯垢や歯石を器械で取り除くことです。
ルートプレーニングは粗造となった歯の表面や、毒素や微生物で汚染された表層を除去して表面を滑沢にすることで歯垢歯石の再付着を抑制する方法です。治療に伴い痛みを生じる場合、局所麻酔を使用することがあります。

 咬み合わせ調整 
咬み合わせた時のバランスが悪く、一部に圧力が集中することで歯周病が悪化することがあります。
その場合、できるかぎり咬む力を均等に分散させるよう、咬み合わせの調整をします。

 暫間固定 
歯を支える骨が吸収し、歯の揺れが大きくなった場合に両隣の歯と接着剤で固定する方法です。
連結することで揺れを少なくし、力による骨の吸収を抑制する目的で行います。
但し、適応部位は限られ、また長期間の使用に耐える方法ではありません。

 歯周外科治療 
基本的な治療では一部ポケットの深さが改善されずに歯石や細菌の残存が疑われるケースや、プラークコントロールが困難となっている環境が残っているケースなどに対し、外科的小手術を行う場合があります。
局所麻酔下で歯肉(フラップ)を開き、歯根に付いた歯石を目視しながら確実に歯石や病変の除去ができます。
また、骨の形態を修正したり、特殊な材料を用いて部分的に失われた骨を再生させる手術を行う方法もあります。
手術はそれぞれの病態にあった方法が適応されます。

 メインテナンス(定期検診) 
一旦、治療が終了した後も定期的に受診して状態のチェックを受けることはとても重要です。
普段磨き残しが出やすい場所を補完して隅々までクリーニングするPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)や、要注意となっているポイントの経過観察、さらに問題が起こってきた際の早期発見・早期対応を行うことで、歯周病をはじめとした口腔環境の長期維持につなげることが可能となってきます。